希望の国のエクソダス/ 村上龍

出かける時に図書館に寄って手頃な感じでと思って手に取った文庫本。5日ほどでのんびり読了。まあまあ面白かったけれどなかなかめんどくさかった。宗田理の「僕らの七日間戦争」と井上ひさし吉里吉里人」を足して現代風にアレンジした感じとでも言うのだろうか。そこに作家というよりテレビで見る「知識人 村上龍」の雰囲気が盛り込んであるのでなかなかめんどくさい。

五分後の世界やシクスティーナインとか読んでて、こんなのもあるのかーと思ってたけど、そうそう、村上龍苦手なんだよなーという事をふと思い出した作品。いや、作品自体はそこまで苦手でもないんだけど。


中学2年の生徒が全国で一斉不登校を初めて、ネットで繋がって起業して通貨危機をコントロールして地方都市を巻き込んで独立自治区を立ち上げていく。ううむ、完全に七日間戦争と吉里吉里人だな。経済理論とか為替市場とかいろんな話が出てくるんだけど、「日本にはなんでもあるけど希望だけがない」と言い放つ中学2年に翻弄される大人たち。痛快でもあり親の立場としてどう接していくべきなのかと立ち止まって考えるところもあり。

うちの子がこんな風に、という事も考えながら見ていたけれど、親目線で見てるとなかなか複雑だな。新しい世代の登場ね。