グラスホッパー/ 伊坂幸太郎

前日読んだマリアビートルがこれの続編だということで、改めて読んでみた。まあ続編といってもガンダムZガンダムみたいなもんで時間軸が繋がって登場人物もかぶるけど違う話という感じ。僕らの七日間戦争とは違う。

グイグイと読み進めてしまういつもの伊坂幸太郎で、マリアビートル読んだ時にはこんがらがってた人物相関図も話がシンプルだからかスッと入ってきた。

主人公鈴木の復讐劇を軸に、登場人物の思惑や主観が入り混じって行き違って、個々の描写は客観的に坦々と描いてある。すげえなあ。いつもの伊坂幸太郎。なんだろうねこの安心感は。

個々のキャラがしっかりしてて、コマ送りの画像というのか、漫画のコマ割みたいな感じで絵が切り替わる。漫画っぽいのかな、確かに。なんとなく言ってみたけど、ガンダムのそれに近いような気もするなー。


こないだやってたガンダムの「Gのレコンギスタ」もそうだったけど、登場人物がみんなそれぞれの思惑と理解の範囲があって、セリフとか行動とかが物語全体でどうなってるかみたいのもあるけどそれよりもっと勝手な感じで、喋ってるセリフが必ずしも正解でも本筋でもなくて、思ったことを思ったままに喋ってる。そういうのがなんというかリアルなんだろうな。理解を促すとかそういう役割を担ってる感じではなくて。

ギャングというのか殺し屋というのか、そういう堅気じゃない人が次々と出てきて、がんがん人が死んでいくのにどこかコミカル。登場人物の視点で細切れに語られるけどバラバラにならなくてより立体的に見える。なんだかなー。なんだろうな、この面白くて裏切られなくて十分楽しめるのになんとなくしっくりこない感じ。自分がひねくれてるってことなんだろうな。三谷幸喜タランティーノの映画とか、ジャンプに出てくる冒険活劇に似てるんだよな。


とか言いながらまだまだ読んだことないやつ多いのでまた何か気軽に手を出してみようと思う。面白い人だなー。