はじめての夜 二度目の夜 最後の夜/ 村上龍

中古でブックオフに100円で置いてたので内容わからないけど買ってみた。あとがきに書いてたけど主人公のヤザキは「69」の人物と「公式には同じ人物とされてないけど同じ設定」みたいな人らしい。話見てて面白かったのでそっちも読んでみようと思う。Amazonに載ってる写真見てると「69から20年」ってなってるのね。まあどっちにしても読んだこと無いからわからんや。

はじめての夜 二度目の夜 最後の夜 (集英社文庫)

はじめての夜 二度目の夜 最後の夜 (集英社文庫)

で、内容はというと主人公ヤザキが地元長崎に仕事で帰った時に、地元の同級生で中学の時に好きだった女の子と食事をしながら話をしているというけっこう面白い設定。もちろん作品自体が2000年なので今更ってところかもしれないけど初めて読んでる人間には斬新。

食事は全部で3回。話のタイミングごとに章が分かれて、各章に料理のタイトルがつけられていて、その感じは前に読んだ「ダイナー」と似てるんだけど、それとは違って各章タイトルはそこまで影響ない感じ。

いやー、主人公の年齢が40歳で、男女ともに結婚して子供がいて、20年ぶりに地元に帰って昔好きだった人と飯を食う。その設定が十分にエロいなあ。男は仕事で長崎に帰って、女は昔の友達が来るからと子供を置いてめかしこんでタクシーに乗って食事に行く。なんだかなー。エロいよ。中学生の頃の思い出や、最近の話をしたりしながら子育ての話が出て来たりもする。そうだよな、そんな状況で子供の話なんてしたくないけど、40にもなれば子育てが人生の身の回りの出来事にとっての比重がとても大きくなるもんなあ。

奥様が後で読むかもしれないので詳しいことは触れないけど、ヨシムラという個性的な(特徴的な)キャラが軸になって、昔の話をしながらたんたんと食事しながら話をする。なんだろうな、すごいリアルだな。村上龍おもしろいなー。高校生くらいの時に何冊か読んであんまり好きじゃなかったけど、「5分後の世界」読んだあたりからけっこう楽しく読んでるな。とりあえずは「69」読んでみようと思う。


物語の好き嫌いはあると思うけど、話してる内容はけっこう楽しかったな。「世界が30分で終わるとしたら何をするか」みたいな話もそうだし、ちりばめられた普通の会話(日常会話ではなくレストランで極上の料理を目の前にしながら昔好きだった人との会話とかいう状況で)がなかなか楽しい。いろんなこと考えて面白かったですよ。村上龍、嫌いじゃない。