ダイナー/ 平山 夢明

友人に勧められて、なんとなく勢いでAmazonで購入。マーケットプレイスは劇薬。

何も知らず、食べ物の小説やでととんでもない嘘を教えられて、表紙の写真に気を良くしてページをめくるととんでもないスタートと身の毛もよだつ展開。ありゃー、苦手なタイプのやつや、、、、と思ってとりあえず呼んでいると数十ページで完全に引き込まれた。

ダイナー (ポプラ文庫)

ダイナー (ポプラ文庫)


自分では進んでこの手の本は読まないんだけど、読書感で言うと「ジェノサイド」によく似てる。ぐいぐいと引っ張られてトンデモな展開でも目が離せなくなって必死に読んでる。通勤電車3日分くらいで読み切ったけど、電車の時間が楽しくなるし、帰ってから風呂に入ってのんびり読んだり、読書がどんどん生活の中に入ってくる感じも楽しい。

裏の世界というのか、殺し屋の世界というのか、現実的なようでリアルな描写でいて、どうも実感とか感情移入とかそういうのはないんだけど(あってたまるか)、脳内再生される映像はファイトクラブとか(見たこと無いけど)ユージュアルサスペクツとか、そういう感じの映画のイメージで物語が広がって行ってどんどん読んでいる。肉汁にじゅるりとしたかと思うと頭が弾け飛んだり人がどんどん死んで行ったりする。村上龍の「五分後の世界」とかもそんな感じだったかな。エンターテインメントは簡単に非常識に人が死ぬくらいの方が面白いんだろうか。ゲーム脳がとやかく言われるくらいならサスペンス読んでるような人間は片っ端からしょっぴいた方がいいなんて論理になぜならないのか。


最後の展開でハラハラして、読後感はちょっといい感じ。口直しに吉田修一とか堀江敏之とか読みたくなるよね。読書楽しい。本棚が占拠されて行くのは大変。Kindle欲しいけどどうなんだろうか。ううむ。