夜は短し歩けよ乙女/ 森見登美彦

2006年の本というのだけど、周りのいろんな人に勧められたりしつつようやく手を出して読了。Wikipediaのページの「ジャンル」が「恋愛小説」になってるけどまあそれは気にしないことにしておこう。いやあ、楽しかった。さくさく読めた。森見登美彦は「四畳半神話大系」に続いて二つ目だけど、とても楽しく読み進めました。Kindle for iPhoneでの読書は、本当に移動の隙間のいい感じのタイミングで読めるので好きです。iPad miniももらえるなら欲しいですが今は特にいらんかなあ。

登場人物や、舞台や、その辺がすこしずつ他の話とリンクしてて、読んでて学生の頃の記憶見たいのがよみがえってきたり、こそばい感じとかそういうのが楽しいな。どう表現していいのかよくわからないけれど。

ずっと友達のことを思い出してて、ああ、あいつは多分こんな感じであの子のことが好きなんだろうなみたいな勝手な妄想を拡げながら、自分にかぶせてみたいなことではなくて勝手にその友達のことを思いながら読んでましたよ。京都ね。京都はあれだなあ、「京都で学生時代を過ごす」ということだけを目的に京都の大学に進学したのでとても楽しかった。東京の大学に行ってたらまたもっと素直な人間になってたんだろうか。いや、ないか。


2人の登場人物が互いに話をつないでいって、その辺の描写がテンポ良くて読んでも飽きないし、引き込まれるなーなんて思いつつ、現実もそのくらい俯瞰して相手の事がわかったらいいのになあなんて思ったりしたけど、それはそれで「一方私は全然そんな事思いもせず」みたいになったりして切ないからやめといた方がいいんだろうな、多分。

関係ないけど、この人の話しやロボピッチャーモリカゲシャツなんてアイテムは今でもパッと京都の懐かしい感じを思い出すよなーと思うし、京都で学生時代に遊べて良かったなーと改めて思う。あの頃はずっと京都で暮らしていたいと思ってたけど、なんちゅうか昔の恋人みたいにたまに思い出して懐かしがっては再訪してがっかりしたりするくらいがちょうどいい。ん?


また多分しばらくしてからふと読み返すんだろうな。なんていうのかな、だいたい河原町から東側だけで展開するような学生くさい京都らしい小説です。楽しかった。