村上龍/ 五分後の世界

結構古い本なんだけど遊びにきた友達がたまたま読みかけだったやつを置いて行ったので借りて読んだ。村上龍はなんとなく読んでいなくて、「限りなく透明〜」「コインロッカー〜」以来くらいで20年は言い過ぎかもしれないけど高校生の頃からで考えても16年くらいは読んでなかったけど、そんなにごつくもないので手を出してみた。

五分後の世界 (幻冬舎文庫)

五分後の世界 (幻冬舎文庫)

これが見事にはまった。10ページ行かん間にがっつり引き込まれて読み進めてた。「読ませる」感じがすごい。正直去年いろいろ本を読もうと新しい作家に手を出してみたりしたけど、「読みやすい」本はいくつかあったけど「読ませる」本はそんなになかった。一つ前に借りてたトゥーサンに至ってはもう読むのがつらくなって半分行かない間にやめてしまった。そしてこの村上龍である。いやはや、面白かった。

現実と五分ずれたパラレルワールドで、「歴史のif」を乗り越えて現代まで戦争が続いている世界。現在社会の批判、皮肉というコメントもいくつかあったけどそんな風にはあまり思わなくて、まあ吉里吉里人もそういえばそんな感じだったなあとか思い出したけど、いや、もっと単純に楽しくよみました。戦闘シーン、ライブのシーン、細かい描写が延々と続き、物語にリアルな肌触りみたいなものがついてきて。そうだ、村上龍ってそういうリアルなざらっとした表現の人だったな。暴力や性について。うむ。

いやあ、うまく言えないけど楽しかった。続編読みたいかと言うと実はそうでもないのだけど、でもwikipedia見たら同じ世界の全く違う話だということなのでまあ見てみようかと。それよりも他の村上龍ももうちょっと読んでみようかと思いましたよ。