忘れられた日本人/宮本常一

良く読むブログで取り上げられていたのが図書館においてあったので借りてみた。書かれたのは昭和10年頃。インタビューや現地調査で日本各地を歩いて回ったり、土地の老人に話を聞いてまとめた日本の民話。童話的なことではなくて、歴史に書かれない土地の話、民間伝承。そういう意味で民芸とつながると言えばそうなのかもしれないけれど。

対馬で、愛知で、河内長野で(!)、明治や大正の時代に人々がどう生きていたか、政治や戦争やその裏で、どんな風に世間の人は生活していたのかということが淡々と物語られていて、民俗学的に意味合いがあるのかもしれないのだけど、そういうのとは全く別の観点で、いや、観点なんてもんじゃなくておもしろがって読んでいました。

明治の頃は今よりも全然性に対して開放的だった、みたいなことや、歌のうまいやつがモテた、とか、まとまりが無いようでいて多岐にわたったその話はなかなかに面白かった。が、人に勧めるかというとそれほどでもないようで、面白いかと言われると面白かったと思うのだけど、なんだかその辺は好みというかなんというか難しいところだな。

関連する、というのではないけど、最近読んだブログの記事でこんなのがあったのを思い出したので、ブックマーク代わりにリンクしておきます。

http://d.hatena.ne.jp/essa/20090506/p1