ママはテンパリスト/ 東村アキコ

友達に勧められて買ってみたのだけど、これがもう傑作。簡単にいうと子育て記録のマンガなんだけど、説教くさくもなく(これについては巻末に作者のコメントがわかりやすい)きれいごとでもなく、ただ単に子育ての良いとこも悪いとこも、まとめておかしく羅列してる、というだけ。で、作者の他の作品の事は全然知らないのだけれど、これはなんというか小林よしのりが「ゴーマニズム」を書くようなもので(全然違うかもだけど)「子育てマンガ」みたいなエッセイ的なノリの作者が書くわけではなくて、やっぱり単純にマンガとして面白い、てのが「おもろいマンガ」になってる原因なのかなと思ったり。

ママはテンパリスト 1 (愛蔵版コミックス)

ママはテンパリスト 1 (愛蔵版コミックス)

テンパリスト、てタイトルも良いよね。僕は比較的おおらかに子供を見てるのでそこまででもないけれど、でも子育てって本当にいろんな局面でパッとテンパることは多々あって、例えば一階に娘を置いてちょっと二階にモノを取りに上がって、さて降りようかとした時に気がついたら娘が二階まであと二段、てとこまで階段を上がってきてるのを見ると、「あわわわわわわ」とかしか言葉が出てこないわけですよw
まあ、全体的に調子乗りでは有るけれど想定の範囲内でしか暴れないうちの娘は親としてはそこまで心配する感じではないので助かっておりますけれども。

しかしあれですよ、書かれてる内容とか、実際には全然面白くないはずで、こんなこと実際に起こったらテンパるどころか子供にキレたりするよなぁ、と思うけど、その辺を丁寧に笑いの方向にもっていってて、それはマンガだからなのかネタとしておもしろがってるのかはわからないけど、でもまあ、子育てしててテンパリストになるその瞬間、それを親がどこまでおもしろがれるか、てのは大事な事だなあ、なんて思ったりします。

あかんもんはあかん、てのはきちんと教えたいなと思うけど、まあそれ以外は子供のやる事なんて本当に適当で気まぐれな事だったりするはずなので、親としてはそれを想定して防御策だけ講じておけば、あとはなんとかなるのかなあ、と思います。とりあえず階段には柵をつけましたけどねw おかげで犬が自分で上り下りできなくなったので、そのストレスたるや相当なものじゃないかと思っていますが(苦笑

登場人物の「ごっちゃん」が1歳8ヶ月くらいから3歳近くまでのときの話。うちはまだ先の話だけど、同じふうに元気に育ってくれたら、おもろいネタがたくさんできていいのにな、なんて思います。それくらいじゃないと、正直子育てってキツいものね。

てことで、小さいお子さんのいる方には一通りお勧めな感じです。人の不幸は蜜の味、じゃないけど、自分のとこで起こっても、それを楽しもうと思えるような、なんというか大きく構えておけるようにしたいなあ、くらいの効果はあります。多分。