「蛙の子は蛙ではない」の記事を読んで

元大洋の高木豊の子供が三人ともサッカー選手になったという話。各年代別代表になったり、Jリーグや海外で活躍中、と。これ本当にいい話でした。感動的とか、成功体験とかそういうのではなく、父親が子供に対してどう接して行くべきか、何を伝えるべきか、本当にたくさんの示唆に富んでる。

現在はプロ野球解説者として、テレビや雑誌で幅広く活躍するが、彼の3人の息子たちは今、野球界ではなく、サッカー界に身を置いている。

 清水に所属する長男・俊幸(20)、東京Vに所属(6月20日にオランダ・ユトレヒトへの移籍が発表)する次男・善朗(18)、東京Vユースに所属する三男・大輔(15)。3兄弟とも、世代別日本代表に選出されるほどの有望株だ。

表情、言葉、目で本気度を見極める。

「本気というのは意思表示なんですよ。表情、言葉、目。これを親は見逃してはいけない」

子供は本当に良く嘘をつく。あ、大人もだな。うちの三歳児ですら上手に嘘をつく。詰問して嘘を暴くこと自体に意図があるのでは無くて、きちんと大人が向き合ってやらなきゃいけないことなんだけど、それでもやっぱりすぐにバレる嘘をつく。

なんでそんなことをしたの?と聞くのではなくて「本当はどうしたかったの?」と聞くのだとコーチングの話で見かけるけれど、子供が何をしようとしてるのか、どうして欲しいのかは、目をみればある程度はわかるし、それを怠ってしまうと親失格かもしれないなあ。まだ3歳だから、ではなくて、スポーツ選手やなんかが「3歳から始めました」なんていうくらいの年なのだ。うむ。

決定権はすべて子供に与える。

これは確かにそうだなあと思いました。仕事も多分同じことで、範囲や権限こそあれ、子供に決定権を与えて、親はそれを監視して、助言して良い結果が出るよう支えて、そして黙って見てる。多分そういうことなんだろうなあ。

「選択肢を親が決める人生ほどつまらない人生はない。だから決定権はすべて子供たちに与えた。自分で責任と決定を下す意思を持てるようにしないといけない。親が決めると、子供の芽を摘んでいくことになると思う」

そして息子自身はこう答える。

「サッカーと野球は違っても、プロ目線でプレーしている僕の心境を察してくれる。父から冷静に告げられたことで、気持ちがリセットできた」(俊幸)

プロとしてのアドバイス、というのが素敵やな、と。父親にしか伝えられないこと、父親にしか見えないことは多分ある。もちろん逆に母親にしかわからないこともある。だから僕らは夫婦で助け合いながら子供を育てるし、いざという局面で父親の話を聴いてもらえるかは、結局そこまでの全ての積み重ねなんだろうな。いくら父親がプロ野球選手でも、信頼関係がなけりゃ部屋を訪れて意見は聞かない。うん。

夢を聞き、何をすべきかを問いかける。

さて、娘がWebディレクタになりたいと言ったり、映像編集の仕事がしたいという時がくるのだろうか。なって欲しいとは特に思わないし、やりたいことがあればそれでいいと思う。代々引き継ぐようなものも特にないし、それが特に正しいこととも思わない。でも、絵を描いたり写真を撮ったりするのが好きみたいだから、それが好きならそれでいいと思うし、お金を稼ぐということはまた別の話だから、それは多分僕が伝えてあげなきゃいけないんだろうと思う。

ある日、俊幸が突然、豊の部屋に来た。
「最近、ゴールが取れない。なんでだろう?」
 この問いかけに対し、豊は「プロというのは、体が張れるか張れないか。例えばお前がシュートを打つ瞬間に、相手は体投げ出してくるだろ。そこでまともに打ったら入らない。キックフェイントとか入れて工夫するんだ」と返した。すると、その次の試合で俊幸はゴールをたたき出した。


子供達がどんな大人になるのかと、思いを馳せてるうちは夢見心地なのだけど、ちゃんとバックアップして話しあったりする事は、何か特別な事じゃなくて今からもう始まってる事なんだなとしみじみと。キッザニア、とかじゃなくても、いろんなものに触れられるところへ、連れて行ったりしてあげたいなあ。という名目で、旅行に行きたいなあw


奥様の日記を見てると、子供の特性というのが本当に良くわかる。娘の日々の生活は、なんだかいろんなドキドキに満ち溢れてるんだろうな。楽しそうだ。これから子供たちがどんな風になるか。楽しみなのはたしかだけど、それだけじゃいけない。父親としてやるべきことは多分まだたくさんある。リンク先のインタビュー記事、ぜひ全文読んでみてください。