家族と、地震と、写真

 大震災発生から5日目の15日、遺体で見つかった岩手県大船渡市大船渡町野々田、浜田勝太郎さん(79)は、大切そうに胸にアルバムを抱いていた。縦約40センチ、横30センチの冊子の中には、ベビー服姿の孫をうれしそうに抱き上げるスナップ写真などが貼り付けられていた。
 津波で100メートル以上流された自宅の1階で見つかった。妻と2人暮らしだった。上の孫の紗帆里さんは中学2年生。下は小学4年生の光君だった。
 救助された妻によると、津波が自宅を襲った時、浜田さんも一緒に2階に逃げた。だが家族のアルバムを取りに1階に戻り、そのまま逃げ遅れたという。消防の捜索に立ち会った息子の会社員、浜田浩誠さん(48)は「本当に孫が好きだった。だけど、ばかなおやじです」と声を震わせた。

写真を取りにいかなければ、生きてまた孫に会うことだってできたはず。でも、写真てそうじゃない力があって、それは一瞬だけを切り取るから、その中に移っていないいろんな物語を一緒に刻んでくれるからなんだ。アルバム、やっぱり大事にしなきゃなあ。デジタルで便利なのはもちろんいいんだけれど、ちゃんと出力して、両方の実家にもちゃんと送ってあげて、手元にも、残しておきたい。

家族というものを、改めて考えるきっかけになるここ数日の出来事。奥様の実家静岡でも大きな地震がありました。幸い東の方で、磐田ではそれほど大きな被害は今のところ出ていないようだけれど。まだまだこれから。がんばろう。

サマーウォーズ陣内栄の言葉】 「家族同士で手を離さぬように、人生に負けないように、もし、辛い時や苦しい時があっても、いつもと変わらず、家族みんな揃って、ご飯を食べること。いちばんいけないのはおなかがすいていることと、独りでいることだから」 ←今になって言葉の意味が分かりました。


ドラゴンヘッドとサバイバルとサマーウォーズがいっぺんにやってきたような状態だ。それでもやっぱり、がんばらなきゃね。人を大切に。毎日を、繰り返していきます。