何風でもない住まいをめざしてのリフォーム

今日の引き渡しの時に、リフォーム会社で設計を担当してくれた女性の方がいたくわが家を気に入ってくれているという話を聞いた。家具を入れてから、ぜひ改めてみにきたい、と。僕も早く家具を入れた状態で見てみたい。けっこうね、かっこいいことになると思うよ。

リフォーム会社によくある依頼というのは、「カフェ風の」とか「北欧風の」とか、「TRUCKの家具が似合うような」みたいのがお多くて、実際に作例とか雑誌とか、そういうのを見てても何風かみたいのがおおいなあと思ったりするし、その辺はリフォーム会社の雰囲気でもあったりするのでまあそれはそれとして、でも僕たちが求めていたのは何風でもない、自分たちの好きなものを集めた家だった。

かっこいいことはすごくかっこわるいとか、カフェってくつろぎの象徴みたいになってるけど、カフェ自体ではとてもくつろげないよなあとか、そんなことを思っているたちなので、どうもそういうのが苦手だったのです。明確なイメージが自分たちにあって、それを形にすることを技術的にクリアしたいので足りない部分も含めて手伝ってもらえたらなあ、と。

とはいえ、実際には北欧の家具なんかは好きだし、僕はウェグナー、奥様はフィン・ユールがすごく好きで、雑誌に載ってたそれぞれの自邸を見てはため息をついたりする。でもね、よくよく見てみるとウェグナーの自邸ってそれほど北欧風でもなくて、その、けっかとして必要なものとか好きなものを集めていくとそういう自分たちのスタイルになっていくんだと、そう思っていました。北欧のものは好きだし、結果としてそういうものが並んだとしても、北欧風にだけはしたくなかった。ひねくれてるのは知ってるけどね。


雑誌やカタログの中で「こんな感じ」と出て来るイメージはそれそのものを体現したいというのではなくて、壁の色はこういうのがいいとか、こういう雰囲気、空気感、アイテム、床の色、そういうのが好きなんですと伝えたりして、それは結局のところモノそのものではなくて、選択基準とか僕らが好きと思うものはどういうことかというのを二人で何年かかけて詰めて行ったようなところがありました。

だから、夫婦二人で共有してる明確なイメージがあって、もちろん予算の縛りなんかが大きくて、床材やクロスや、どこをどうしてという選択がかなり早かったので驚かれたりもしましたよ。寝室のカーペットの色一つとっても、なんとなく明確なビジョンが合って、数十枚持ってきてもらったサンプルの中から僕が数枚をさっと選んで、その中から一枚を選び出すのもそんなにかからずにさっと。あるいは「これのもう少し明るい色にしてください」みたいな。本当に早かったな。

洗面所のタイルとか、床のPタイルとか、そういうのも「探して行けばキリもないし、ある中で、予算の中で一番良いと思うもの」をささっとチョイスできたのは良かったなあ。結果として仕上がりを見てもけっこうきれいにはまってるしなあ。あれか、子供が小さくてそんなに隅々まで見て回れないのが逆に良かったのかもしれないな。今日、ここで、決めなきゃ、みたいのが常に合ったからな。


IKEAに先日家具を買いに行った時も、7年来の付き合いの友人がベッドやカーペットを選ぶのを見て「思ってたのと違うな」と言ったけれど、まあその辺が暫定的に生活をしようとしてた時と、本気でカーペットを選んでる時との違いなのかもしれないな。あんまりすっきりしたのとか、全部同じ感じとか苦手なんですよ。商業施設はそうあってほしいけれど、自宅なんだから好きなものだけ集めて行けば、必然的に自分の好きな感じなるとおもうし、何とか風とか何とかスタイルっていうのも、結局は職業的に好き嫌いを超越して幅広くいろんなものを売らなきゃ行けない立場の人間の提案しやすさの問題だからなあ。

とはいいつつ、けっこう個別に好きなものを集めて行ったので、さて、ふたを開けたらどんな感じになるかというのはなかなか恐ろしいところです。楽しみ楽しみ。写真はまた気が向いたらアップしてみます。