無印良品の家、奈良

奈良から河内長野に戻る道すがら、前から気になっていた橿原の無印良品の住宅を見に行ってみる。ちゃんと見慣れたタグがついている。2000万とかずいぶん立派な値段がつけてあるけれど。

無印の家なう。

無印良品の家

無印で家て、と最初は思うのだけど、よくよく考えてみると家というハードウェア以外のものはだいたい無印で生活のものは何とかなる。使いやすさとか好き嫌いとか、全部無印でそろえるってどうよ、とかそういうのは別にして、生活のだいたい全部が無印にあるなら、なんだかそれはそれで全然問題ないように思えてくる。家だって無印で直接建てるわけではなくて地元の工務店と提携してってことだから、まあ、そりゃそうだろう。

そもそも無印の家の話は、この本を前に買ったあたりから始まる。「家の話をしよう」ってね。

家―家の話をしよう

家―家の話をしよう


基本的な考え方としての住宅論や、中古のマンションをからっぽにして(スケルトン)、中身(インフィル)を自分の好きなようにゼロから作って住めばいいやんか、というざっくばらんな住まいの話をしていてその根本的な部分に共感できたものあるし、なんというか自分の収入で新築のマンションや小館を買うということが全然現実的じゃなかったのだけど、これなら買えそうだなあと思ったのもこの本を読んでリノベーションのことなんかを考えるようになったあたりから。むむ。ちなみにこの本の見所は菊池成孔の自宅の写真がカオスとしか言いようが無いような渾然とした状態で掲載されているところだね。すごい。


もとい、そんな感じで無印の家に行ってきました。基本コンセプトはこんな感じ。

無印良品の家は、暮らしに合わせて間取りを変えることができます。家族構成が変わっても、家族が成長してプライベートな空間が必要になっても、簡単に間取りを変えることができます。
無印良品の家では、家の完成は、ゴールではなく、成長の始まりだと考えています。

で、実際の家の中ですが、無印らしさは全体的に発揮されていて、それはよけいな装飾はせずに簡素で手触りのある仕上げにしていて、中の飾りやなんかは結局住む人が住みたいようにすればいいというふうに成っていて、家具やキッチン、水回りに至るまで無印の小物が並んでいるのもまあ正直気持ち悪くもあるのだけど、でもまあその辺のコンセプトやなんかがぴっと一本とおっているので、見ていて気持ちがいい。好きか嫌いかとかはもう全然別の次元の話。

一戸建てを建てるなんてのは全然考えてないので内装のこととか室内のサイズ感のこととか素材のこととかそういうことを考えながら見てたけど、まあ嫌いじゃないなあというのが正直なところで、でもまあここで頼んで作ってもらうかというと必ずしもそういうわけにはいかないよなあと思うのも実際のところ。

なんというか、家のことを考えるのって、自分の人生全部かけてるというと言い過ぎかもしれないけれど、でもまあ自分の人生で一番でかい買物であることは確かなので好き嫌いとかどんな風に生活したいとか全部出るよなあと思うとやっぱりあれやこれやと思いを巡らせるのは楽しいことだなあと思うのであります。まあ、考えすぎてもあれだ、ぼちぼち考えよう。