提案の仕事は難しい

たまには仕事の話、というか思ったことを。

転職して、Web制作の会社で前よりもお客さんに、というか決定権者に近い位置で仕事をするようになった。が、軸足の置く場所が今までと違うので判断がちょっとずつ違ったり、いままで誰かが被ってきてたものをそのまま受け止めたりすることがあってなかなか大変。

全体としては、よいものを作ろうとか満足してもらえるものを作ろうとか、それを通して利益をあげて、得意先の利益につながるような広告を作って行こう、という意図はそこにある。でもまあ哀しいかな知識や技術や思惑やバランスが見事に入り交じってくるのでそこまではうまく行かなかったりする。

具体的な話はできないのだけど、なるほどな、こんな風に誰かが仕事の森の中を切り抜けるように生きて行って、そのあおりをだれかが食らって行くことに鳴るんだなあ、なんてことを考える。知識は時に武器になり、自らを閉じ込める檻になる。かっこいいサイト作りたい、という大号令は現実的ないろいろなところをひとつひとつ折り合いつけて行くことで普通の感じの普通のサイトになったりとかする訳だ。だれかのいくつかの徹夜の作業がその裏に潜んでいたりするんだけど。

だから、すごいクリエイティブの、エポックメイキングな、「これどうやって得意先を説得できたんだろうか」というサイトを見るたびに、フロントエンドの「作った人のすごさ」よりも、それを作るに至らしめたその過程こそがすげえよなあと思うのですよ、最近。ディレクター脳ですかね。ディレクターとかプランナーとかはその辺同じようなこと考えてるので、知り合いがディレクションした「うわー、はっちゃけたなー」というサイトを見た時に「これをあの会社でやっちゃったというか、やれるところまで段取りつけたのがすごいですよね」というと「そうそう、それ」と返されて、なんだろうあのWebディレクター同士の目配せして労をねぎらったりするあの感じ、と思うけど、いやはや、なんだろうなあ。


転職して7ヶ月すぎて、一巡ぐるっとした感じがあるけれど、いやいや、まだまだ先は長いな。少しずつがんばろう。