幻の光

奥様が是枝監督にハマっていて、僕はあんまり見た事なかったので二人とも見た事無いやつをと探したら最初までさかのぼった。95年。

いろんな賞を取ったり、Amazonのレビューもよかったりするのだけど、思っていた感じとはずいぶん違う、と言う事を除けばよかったと思う。でもそれってただの思い込みだから、よかったんだろうな。映像はきれいだし、構図や構成、静かに物語が進んで行ってたのとか、最後につながってしっくりくる感じとかも。
でも、やっぱり違和感があるのは言葉。

尼崎が舞台で、主人公の江角マキコ浅野忠信も関西弁がぎこちなくて、脇を固める内藤剛志赤井英和なんかの関西人はスムーズで、そのギャップと言うかぎこちなさは、始まって10分でウンザリして苦笑い。関西人でなければそんなに気にならなかったとこだろうけど、そうも言ってられない。

しかし、あれなんなんだろうね。ぎこちない関西弁のキャスティング。吉本の芸人が多用されるのも仕方ないというか、ちゃんと話せて演技できる人がキャスティングされてないというか、いや、何で関西でなきゃいかんのだろうとか江角マキコでなきゃいかんのだろうとか。

原作が関西を舞台に書かれてるとかそう言うのもあるんだろうけど、全体に流れる違和感はすごく映画の流れを阻害するよなあ、と。もちろん他の方言でもそうなんだろうな。広島が舞台だからと広島出身の人だけでキャスティングする訳にもいかないだろうし。でもなあ。

子供が二人で野山を駆け回るシーンや、葬儀の列が海沿いを歩くシーン。印象的な映像はとてもよかったのだけど、全体的な違和感が拭えなくて後味悪い感じでした。残念。